会長島田 英昭
東邦大学医学部外科学講座
一般・消化器外科学分野
このたび、理事の皆様にご推薦いただき、第14回日本免疫治療学研究会学術集会を開催させていただくこととなりました。例年通り2月の開催ですが、今回は2月11日(祝日)に、東京大学伊藤国際学術研究センターにて開催いたします。がんの免疫治療における非常に重要な学術集会でございますので、大変光栄に感じております。
この日本免疫治療学研究会は、「がんなどの難治性疾患に対する免疫細胞治療の健全な普及と発展」を目的としています。2003年に故江川滉二先生を中心にして発足して以来、実臨床に役立つ多くの研究成果を発表してきました。2014年に施行された「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」や「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に関しても、いち早く国内の体制作りに協力してきております。
免疫治療の分野では、抗PD-1抗体等の免疫チェックポイント阻害剤がいよいよ臨床応用されて従来の免疫細胞治療との相乗効果が期待される時代となりました。近年の免疫学の進歩は目覚ましいものがあり、がんに対する免疫監視機構を飛躍的に解明し、がん疾患に対する免疫療法のさらなる発展に向けて大きな可能性を拓いています。
こうした研究・臨床環境を背景として、第14回のテーマは「免疫治療新戦略~ブレイクスルーを超えて~」といたしました。基礎から臨床まで、免疫に関するテーマを幅広くカバーする多数の研究発表の場となるよう準備を進めております。そして、現在臨床で用いられている免疫細胞治療がどのような臨床上の根拠があり、その根拠に基づいてどのように診療に寄与しているかという観点から皆様と一緒にディスカッションできるような場となるよう願っております。多くの皆様のご参加ならびに活発なご討論をよろしくお願い申し上げます。